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対談:京都編

監査人としての意識改革

  • ベテラン:岩井達郎
    京都オフィス勤務。入所16年目のパートナー。

  • 若手:中村さくら
    京都オフィス勤務。入所1年目のスタッフ。

Theme 01

若手育成の環境について

岩井

2005年12月に入所して、今年の7月1日からパートナーになりました岩井と申します。本日の対談、どうぞよろしくお願いいたします。

中村

京都事務所新入スタッフの中村と申します。3月15日に入所しまして、1カ月間事務所での研修を終えてこれから本格的な業務に関わっていくという段階です。

岩井

なるほど。まだ現場には出たことがない状態ですか?

中村

研修中に棚卸しには行かせていただきました。すごく緊張して手続きが形式的になる場面もあったのですが、同行してくださった先輩の姿をよく見て吸収できるものは吸収しようと心掛けました。

岩井

初めての棚卸しは緊張しますよね。私も16年前の記憶が鮮明に残っています。右も左もわからない状態でした。中村さんの会計士人生の中で非常に思い出深いものになると思います。研修はどうでしたか?

中村

研修は事務所に同期が集まって、そこでビデオ会議でした。

岩井

今年は新型コロナウイルスの影響でリモートでの研修が初めて開催されました。実際会って話すことができない研修だったと思うのですがスムーズにコミュニケーションは取れましたか?

中村

研修グループの方々に万全の準備をしていただいたので、ディスカッションやグループ会議など、ビデオ通話でも積極的に話し合うことができました。同期もさまざまなバックグラウンドを持つ人が多く、私もいろんな意見を聞くことができて有意義な時間を過ごしました。

岩井

他の業界では、新入社員は大学卒業してすぐの方が多いのですが、社会人経験がある方とまったく同じスタートラインで仕事を始められるのが、この業界の特徴ですよね。

中村

私は社会人経験がないので、会社の請求書や注文書、仕分けのエクセルデータも見たことがなくて、これは何?みたいな感じから入りました。監査論は勉強してきたのですが、いざ実際の手続きに入ると最初はわからないことがすごく多かったです。

岩井

学生からすぐ研修に入ると、そこのギャップが一番大きいかもしれないですね。内部統制といって、会社を回すための仕組みがあります。それを理解したうえで私たちの監査が進んでいきますので、まずはそこからですね。

中村

監査手続きは学ぶのですが、会社の日常的な業務はあまり監査論ではやらないので、その理解がこれから必要になってくると思いました。

岩井

この仕事はいろんな会社を知ることができるのが面白いところです。中村さんもこれからどんどん現場に出るにつれ、会社のさまざまな側面を見ていくでしょう。その一つ一つが中村さん自身の経験、知識、ノウハウになっていくと思います。

Theme 02

リモート時代の監査に大切なこと

中村

コロナ以前の監査について知らないことが多いのですが、実際、往査に行けずに監査をしなければいけない状況だと思います。以前の監査と今の監査の違い、その中で監査人に求められるのはどんなことでしょうか?

岩井

コロナ禍の監査は作業に集中できるところが大きく違いますね。以前の監査はクライアントに出向いて、現物の証憑を見たり、監査メンバーやクライアントと議論したり、1つの場に集まって監査をするのが当たり前の環境でした。

中村

なるほど。

岩井

そこには確かに無駄なことも多かったのですが、一概にデメリットばかりだったとも言えません。雑談の時間は減ったのだろうと思いますが、雑談から新たな気づきやコミュニケーションが生まれたことも多々ありましたので。今後もリモートでの監査という流れは変わらないと思いますが、リモート監査の良さを活かしながら、雑談力とかコミュニケーション力を磨いて行くのが重要になってくるのでしょうね。

中村

就職活動のときからすごく思っていたのですが、PwC京都監査法人は職員の間のコミュニケーションがすごく活発だなと。入所してからも、先輩方から気に掛けてくださることが多いと感じます。

岩井

それは本当におっしゃる通りだと思います。パートナーやディレクター、マネージャーなど職階はありますが、上下関係があるわけではなく、あくまでその職階に応じた仕事をそれぞれがしているだけ。人間と人間の関係は対等です。

中村

先輩に相談させていただくことも多いのですが、入所1年目の私がパートナーの方と日常的にお話できるというところがすごくフラットに感じます。

岩井

パートナーと言っても部屋を持っているわけでもなく、スタッフの方と普通に並んで仕事をしていますしね。これまでの人達がつくり上げてきた雰囲気があって、そこに同じような雰囲気の方が入所してきて引き継がれているのかもしれません。

中村

私たち新人は、わからないことを先輩に質問することが大事だと感じています。その質問力の重要性について岩井さんはどうお考えですか?

岩井

質問力は、会計士として1人前になるための最も重要な能力だと思います。監査とは、英語で言うと「Audit(オーディット)」。聴衆を意味するオーディエンスと同じ語源です。結局、監査とは何をする人かと言えば聞く人なんですよ。いろんな人に話を聞いて、その聞いた結果に基づいて判断をしている人たちです。ですからクライアントやメンバーに対しての質問力、コミュニケーション能力というのが最も重要と思っています。

Theme 03

一人一人のプロ意識

岩井

中村さんはまだ1年目ですが、クライアントから見ると例え1年目のスタッフでも1人のプロフェッショナルとして見られます。チームに配属されて仕事をこなしていくと、クライアントから会計処理についてどう思いますか?と意見を求められたりします。

中村

まだクライアントとお話させていただく機会が少ないのですが、先輩方からも、全員が同じ監査人として見られるからと言われています。会計処理のアドバイスなどは、私たち新人でも聞かれるそうなので、日常的に担当させていただく会社の会計処理については、自分から積極的に学んで理解を深めなければいけないと感じています。

岩井

私が大事だなと思っているのは「結果に対して責任を持つ」ことです。クライアントは、私たちがプロだから頼ってくださっているので、答えをきっちり示すこと、結果に対し責任を持つことは、プロとしての重要な条件の1つだと思っています。

中村

はい。

岩井

ただ、その結果とは個人の結果ではありません。チームの結果です。組織として間違わないことが最も重要。1人で結果を出そうとするとしんどいと思います。だからこそチームがあると考えることが大切ですね。中村さんはプロフェッショナルには何が必要と思いますか?

中村

私は、会計の専門家としての知識や経験が一番大切だと思っています。加えて、企業や社会の変化を理解すること、例えば今だったら新型コロナウイルスの影響が会計にも響いてくると思うのですが、そういうものの理解は必要になってきますか?

岩井

企業も生き物ですのでビジネス活動の環境を理解することは、監査を進めていく上で、非常に重要な要素だと思います。このコロナ禍で打撃を受けている産業は、会社の存続に苦しみながら経営されています。そういったビジネス環境を理解した上で、財務諸表が本当に正しいのかどうか、きっちり投資家に示せるものなのか、責任を持って監査することが、責任ある仕事と言えるのではないでしょうか。