公認会計士 × USCPA

資格の壁なんて、ない。

公認会計士からシステム監査人まで、さまざまなプロフェッショナルが活躍するPwC京都監査法人。
専門性を生かし、より良い監査をつなげるためには何が必要か、日米それぞれの国家資格を持つ2人の会計士が語り合う。

  • 公認会計士:木村 史威

    2014年入所。新人研修の講師も担当し、後輩の面倒見がいいと評判のマネージャー。

  • USCPA:菊池 徹

    2019年入所。タスクに真摯に向き合う姿勢と、高いコミュニケーション能力を持つスーパーバイザー。

Theme 01

それぞれの志望動機

木村

PwC京都監査法人(以下、PwC京都)では日本の国家資格である公認会計士やシステム監査技術者の他に、米国公認会計士(USCPA)や国際資格である公認情報システム監査人といったさまざまな資格保持者が働いているのですが、本日はその中から日本の公認会計士の木村とUSCPAの菊池さんの二人で対談します。よろしくお願いいたします。

菊池

よろしくお願いします。

木村

まず、それぞれ監査人を志した理由について話しましょうか。私の場合は父が公認会計士でその背中を見て育ったというのと、大学で商学部に所属し、会計や経営を勉強していく中で公認会計士の専門性に惹かれ、会計士を目指すようになりました。菊池さんはどうしてUSCPAを取ろうと思われたのですか?

菊池

私は大学では英語を専門にしていたので、会計は専門外でした。ですが、海外留学中に現地で出会った他国の留学生は、みんな英語+αのスキルを身に付けていたんですね。英語だけではダメだなと痛感し、語学と組み合わせて活用できる資格はないかと調べていたところ、英語の先生がUSCPAを持っていると知り、興味を持ったのがきっかけです。会計の知識はまったくなかったため、日本の簿記の勉強からスタートしました。

木村

そんないきさつがあったのですね。就職先としてPwC京都を選んだことに理由はありますか?

菊池

いくつかの監査法人で話を聞きましたが、PwC京都では上場会社の監査や会社法監査、IPOの支援など幅広く担当できるところが決め手でした。

木村

私がPwC京都を志望した理由も菊池さんとまったく同じなんですよ。PwC京都はいろんな業種を見ることができるということで、特にIPO支援は経営とすごく距離も近く、会社の内部を深く知ることができて非常に魅力的です。

Theme 02

充実した研修と和やかな風土

木村

いまPwC京都に所属する公認会計士は、試験合格者も含め約170名。対してUSCPAは約30名と割合的にはまだ少ないのですが、入所前に不安はありましたか?

菊池

日本の会計基準を学んだことがないのにそれを使って仕事をするのかと思うと、正直不安だらけでした。それで入所前に急いで勉強してみたのですが、実際に働いてみて感じたのは、米国基準だろうと日本基準だろうと基準の大枠に違いはないということです。土台は一緒で、そこから発生するちょっとした論点が少しずれることはありますが、そのギャップは働く中で十分埋めていけるかと。

木村

そうですよね。私が主査をしているチームを見ていても、日本の公認会計士のスタッフとUSCPAのスタッフが同じように業務を担当していますし、日本の会計基準の理解度に差を感じることはありません。

菊池

日本の会計基準の中でも難解な減損会計やIFRS(国際会計基準)のキャッチアップ研修に加え、新しく導入される収益認識に関する会計基準などもまとめてあるので、それらをうまく活用しています。eラーニングを利用して、自分のタイミングで受講できるのもありがたいですね。

木村

日本の会計基準そのものもどんどんアップデートされていて、それに対応するための研修も充実しています。その研修で日本の公認会計士もUSCPAも同じレベルでキャッチアップしていけるのがこの法人の良いところだと思います。

菊池

それに、先輩会計士もすごく優しくて、細かい論点の話でも、これってどう考えたらいいですか?と質問すると、親切に相談に乗っていただけるので。

木村

確かに、私もちょうど昨日パートナーと会計処理や会社の問題点をディスカッションしていて感じたのですが、この法人は先輩が非常に優しいというか、質問しやすい雰囲気がありますね。私自身も自分の持っているものは後輩に全て伝えられるように心掛けています。

菊池

木村さんは会計基準や監査基準の講師もされていていますし、私も同じチームでたくさんご指導いただいて。後輩から人気のある先輩かなと思っています。

木村

ありがとうございます(笑) 

Theme 03

監査に不可欠な姿勢と専門性

木村

先ほど、日本の公認会計士とUSCPAの仕事ぶりに差がないと言いましたが、USCPAの人はコミュニケーション能力が高い傾向にあるように思います。その理由に、何か心当たりはありますか?

菊池

コミュニケーション能力が高いと自分では思っていないので・・・・・・。ただ、私が英語を勉強しようと思った根底には、世界中の人ともっとコミュニケーションを取りたい、という動機がありました。それもあって留学したのですが、たったひとりで違う国で生活するこうちに、コミュニケーション能力が強制的に磨かれたのかもしれません。

木村

なるほど。

菊池

クライアントの会計相談を受ける時は、当然、その会社の理解が重要ですよね。経理の担当者と積極的にコミュニケーションをとって距離が近くなると、いろんなことを教えていただけて、より良い検討ができたと思える経験が何度もありました。この姿勢を大事にすれば、クライアントのためになる監査につながると感じています。

木村

監査を意味するAuditの語源は“聴く”。クライアントの話や悩みを聞いて、会社のことを理解した上で、会計処理相談や会社に合った適切なアドバイスをしていくのが監査の基本ですから、コミュニケーションを大切にする姿勢は、大きな強みだと思います。

菊池

逆に日本の公認会計士の方は、なぜその会計基準ができたのか、その背景まで理解されているのですごく引き出しが多いと感じます。ある論点から違う論点が派生することは多いですが、いろんな引き出しがあるので効率的に監査ができるんですよね。同じチームで仕事していて、学ぶことは多いです。

木村

確かに公認会計士の試験勉強の時に、実務指針など基準の細かいところまで学ぶので、クライアントの会計処理相談でも、ここは大丈夫ですか?と他の論点に話を広げていける気はします。ただ、先ほど話題にあがったように、所内の研修も充実していますし、外部の研修を受けたり本を読んだりして積極的に知識を拡充していくことで、USCPAと公認会計士の資格の壁はなくなると思います。

Theme 04

より良い監査につなげる協力体制

木村

語学力もUSCPAの強みのひとつですよね。菊池さんがチームにいてくれて良かったなって思うことは何度もあります。グローバルに事業を展開しているクライアントの場合、連結の監査手続きの一環で海外の子会社の監査は海外のPwCメンバーファームにお願いするんですが、菊池さんが現地とのメールのやりとりや、ミーティングも英語でさばいてくれて助かりました。

菊池

あの時はちょっと大変でしたけど、非常にいい経験だったと思っています。監査業務を行う中で計画が変わって追加の手続きが頻繁に発生したのですが、そのたびに海外とミーティングを設定して、背景とか想定される手法を含めてディスカッションし、結果的にスムーズに進めることができました。

木村

会計処理相談とか、監査上の問題点ですとか、そういった現地からの問い合わせにも対応してもらいましたよね。

菊池

米国基準とIFRSの基準の大枠を理解しているので、私たちの意図している基準と現地で参照している基準の違いを、抽象的にではなく明確に伝えることができました。それで現地の監査チームにも納得してもらえたので、やはり勉強しておいてよかったと思います。

木村

国によって会計基準はさまざまですが、PwCは世界中にネットワークがありますからね。海外のPwCメンバーファームの助けも借りながら、日本の会計士とUSCPAがタッグを組めば、鬼に金棒ですね。

菊池

いろんな人と協力しつつ、多方面から知見や情報をどんどん吸収して、良い監査につなげていきましょう。